2018年9月19日水曜日

『君たちはどう生きるか』1



ついに天下の名著がマンガになる時代がやってきたんですね。若い人たちが誰も振り向かなくなってしまった古典が、羽賀翔一のマンガになって不死鳥のようによみがえり、しかもベストセラーになる――すばらしいことですね!! 泉下の著者も、どんなに喜んでいることでしょう。

とはいっても、僕がこの本をはじめて読んだのは、40歳にもなってからのことでした。吉野源三郎氏が一番読んでほしいと思ったにちがいない10代のときも、その後もずっと手に取ることはありませんでした。

10代のころ僕は、もっぱら日本の小説でした。単におもしろかったからであり、すぐれた小説のなかには、人間の生き方がすべて含まれている――なんて思って読んだわけじゃありません。しかし吉野源三郎とか、武者小路実篤とか、石川達三とかのいわゆる人生論本は、ハナからつまらなそうでしたし、ちょっと背伸びすることがカッコイイと思っていた僕にとって、カッコ悪い本だったのでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...