富士山の右下には、すみだ北斎美術館のシンボルマークともなっていて、一度目にしたらぜったい忘れることができない稲妻が、一瞬のきらめきを見せています。この稲妻は単なる自然現象ではありません。狂言「神鳴(雷)」にあるように、白雨(夕立)は人間にとってもっとも大切な五穀豊穣を約束してくれるシンボルでもあるのです。
そのカミナリを、渡辺さんによれば人間の仲間であるネコのヒデヨシが起こしているんです。「アタゴオル×北斎」をもっともよく象徴する作品として、そして僕の「富嶽三十六景」観にもっともよく通い合う作品として、「僕の一点」に選ばせてもらったというわけです。
これを宗教的観点からみると、熱心な法華信徒であった北斎と、熱心な法華信徒であったにちがいないと愚考する宗達による、阿吽のコラボレーションともいえそうなのですが(!?)
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