2018年6月6日水曜日

静嘉堂「酒器の美に酔う」<お酒の絵>3


参考資料

A大宰帥大伴(旅人)卿の酒を讃むるの歌十三首(『万葉集』三)

[しるし]なき物を思はずは一坏[ひとつき]の濁れる酒を飲むべくあるらし

  酒の名を聖[ひじり]と負[おう]せし古の大き聖の言のよろしき

  古の七の賢[さか]しき人どもも欲[]りせしものは酒にしあるらし

  賢しみと物いふよりは酒飲みて酔泣[えいな]きするしまさりたるらし

  言はむすべせむすべ知らず極まりて貴きものは酒にしあるらし

  なかなかに人とあらずは酒壷に成りにてしかも酒に染みなむ

  あな醜[みにく]賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見れば猿にかも似る

  価[あたい]無き宝といふとも一坏の濁れる酒にあに益[]さめやも

  夜光る玉といふとも酒飲みて情[こころ]をやるにあに若[]かめやも

  世のなかの遊びの道にすすしくは酔泣するにあるべくあるらし

  この世にし楽しくあらば来む生には虫にも鳥にもわれはなりなむ

  生ける者つひにも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しくをあらな

  黙然[もだ]をりて賢しらするは酒飲みて酔泣するになほ若かずけり

    

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