2018年5月16日水曜日

静嘉堂文庫美術館「酒器の美に酔う」ジャンクで一杯4


清朝・康熙年間、景徳鎮官窯で焼成された組物の碗で、それぞれの月の花に、唐詩から引用した七言二句が添えられている。中国では、明代末期から旧暦2月中旬のお節句「花朝」がはやり始めた。これは各月の花の神様――花神に捧げる祭礼で、この碗はその時に使われたともいう。

日本では、出光美術館と静嘉堂文庫美術館に揃いの絶品がある。僕のはもちろんずっと下るコピーで、1月の一字を間違えているところがご愛嬌だが、なかなかよくできていて、紹興酒にも日本酒にもよく合う。詩句はほとんどが『全唐詩』から採られており、1月もそれに載る白楽天の「迎春花を玩んで楊郎中に贈る」だという。僕の戯訳で紹介することにしよう。

  春まだ寒くふるえてる 金の花房 翠[あお]い萼[がく]
  黄色い花はいろいろと あるけど黄梅ナンバーワン
  旅立つ君に贈りたい 「老眼? 気にすな!」花眼とも
  いうから花だけ見てほしい 無粋な蕪[かぶ]など目もくれず

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 17

   三菱一号館美術館「トワイライト、新版画――小林清親から川瀬巴水まで」を内覧会で見せてもらったあとで、 いま饒舌したような 巴水風景版画 サウダーデ 観 が 心に 浮かんでき た ん です。もちろん会場で作品を前にしたときは、ただいいなぁと ながめるだけでしたが……。    ...