2017年12月17日日曜日

静嘉堂文庫美術館「あこがれの明清絵画」<書芸>2


陸治「荷花図」

 バッチリ宿るしげき露 湿度いよいよ高くなる

 どうすりゃいいのさ? 大汗に 薄絹の服ベチョベチョに

 突然風が…… ヘンポンと 汗の衣もひるがえる

 模様のツバメが軽やかに また美しく飛び回る



王建章「米法山水図」

 六月の厳しい暑さおさまらず 小さな書斎は燃えるごとくに……

 庭先で日影はジャスト南中し 窓辺にゃ昼寝のいびき流れる

 たちまちに気持ちよき雨降りだして 庭の竹林サヤサヤ揺れる

 その瞬間 昼寝の夢から醒めて見る 林の靄[もや]の藍に染まるを

 モクレンの花を散り敷く石畳 雨だれ軒から池へ集まる

一、二杯やれば旧友思い出す 誰か一緒に語り明かさん

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...