2017年11月28日火曜日

出光美術館「書の流儀Ⅱ」2


手法は変わったが、人と人との交流や連絡手段ではメールなどの文字伝達が主流となっていて、電話で話すことは非効率的だとしてか後回しだ。新聞、小説、マンガまでもが電子書籍として提供され、「見る」と「読む」の感覚や相関性が随分と変わってきたように思えるのも、このご時世の一端だろうか。

こうした動向を若い世代特有の現象であるかのように捉えて、「本を読まない世代」「活字離れ」と言う批評もあるが、それはおよそ見当違いで、電子化された媒体に手慣れた人々にとっては、世代の差なく機器を活用して、これまで以上にたくさんの活字に触れているのが実情だ。どのような手段でコミュニケーションを図ろうとも、文字が人と人とを結ぶ役割を担っていることに変わりはない。

 さて「僕の一点」は、頼山陽の「四寒詩巻」(出光美術館蔵)です。江戸時代後期を代表する漢学者にして詩人、また『日本外史』を著わした大歴史家でもあった山陽が、「寒僕」「寒婢」「寒犬」「寒猫」という七言律詩四首を書き連ねた書巻です。しかし山陽の自詠ではなかったらしく、巻末には以下のようなことが書かれています。

『蒋蔵園集』に「十寒詠」があるが、おおむね無情のものを詠んでいる。私は有情にして、自分とも強い関係があるものを抜き出して、「四寒詩巻」を作った。


0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 11

    モラエスは 今 NHK 連続テレビ小説――通称 朝ドラ の 「ばけばけ」 で モデルになっている 小泉八雲( ラフカディオ・ハーン ) と 同世代の日本研究者で、 ほとんど同じころ来日、 遺した仕事も共通する 要素 が 少なくありません 。   しかし東京大学や早稲田大学...