とはいえ、宗眼重信も基本的には伝統的な障壁画の画題方式にしたがっています。花鳥之間の西側には富士之間があります。文字どおり霊峰富士が描かれていたと推定される部屋ですが、この部屋の南側には床の間がしつらえられていました。つまり富士之間は花鳥之間より格式が高い部屋でした。重信は格式が高い部屋に富士山を配し、下位の部屋に花鳥を描いたのです。
狩野派では山水>人物>花鳥というように画題のヒエラルキーが決まっていました。ですから格式の高い部屋には山水、中位の部屋には人物、下位の部屋には花鳥を描くというのが伝統的ルールでした。重信はこの伝統を守っているのです。そうなるとシアトル美術館所蔵の「琴棋書画仙人図襖」は、単に「秋冬花鳥図襖」の裏側にあったというだけじゃ~すまなくなります。

0 件のコメント:
コメントを投稿