はじめて僕が川合康三さんのお名前を知ったのは、これまで何度かアップした『中国文学歳時記』(同朋舎)を読んだときでした。読んだといっても、「玉堂と酒」なる駄文を書くため、『中国文学歳時記』から飲酒詩――僕のいう賛酒詩を探しただけです。そのなかに范成大の「春日田園雑興」がありましたが、解説担当は川合さんでした。
「田園雑興」は尊敬する渡辺崋山が愛して止まなかった范成大の連作です。また僕が最初に暗唱できるようになった漢詩は、「春日田園雑興」の「フーディエシュアンシュアンルーツァイホァ……」という一首だったので、とくに印象深く、おのずと川合康三さんのお名前も脳裏に刻まれたんだと思います。
つまり『中国文学歳時記』は拾い読みというか、つまみ食いというか、賛酒詩を探して読んだだけなんです。しかし川合さんは、学生のころ小川環樹先生から「本というものは最初から最後まで通して読むものなんだよ」とたしなめられた思い出を語っています。

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