孟嘗君は中国・戦国時代、斉の王族でした。その孟嘗君の故事を、清少納言の一首はベースにしているんです。孟嘗君が秦に遣わされて監禁されたとき、連れていた大勢の食客のうち、盗みの巧みな男と鶏の鳴き声を真似ることがうまい男のお陰で、警備きわめて厳重な函谷関をすり抜け、無事斉へ帰国できたという故事です。清少納言が詠んだ歌のもとになった中国故事の方を、北斎は取り上げて描いたのです。
しかし北斎は、どうしてこんな面倒くさいことをやったのでしょうか。それは先に指摘したように、5組の日中ペアを作るため、どうしても必要だったからです。これを清少納言そのままで、つまり日本の風物で描いてしまったら、日中の5ペアはできなくなってしまいます。

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