今回はもう一つ、ネコ好きカンチョーとして「僕の一点」を加えたいと思います。それは蔵三の「牡丹猫図」です。はじめて知ったネコ絵の傑作です。とくに毛描きが素晴らしい!! ほぼ正方形の画面で、キャプションにはもと座屏ざびょうだったのではないかとありましたが、その通りだと思います。
座屏というのは座頭屏風の略で、禅院で用いられる小型の衝立です。無著道忠の『禅林象器箋』という本をみると、禅宗寺院客殿において室中などの室内側、座の端にある戸口の両脇に向かい合うように並べて配置するのが、正式の用い方だったようです。
言葉で説明してもよく分からないでしょうが、海老根聰郎さんが中心となって編集した『日本水墨名品画譜』4<狩野派と琳派>(毎日新聞社)には、狩野孝信筆「高士・花鳥図座屏」(高台寺蔵)が実際に設置された写真が載っているので、これを見れば一目瞭然です。
0 件のコメント:
コメントを投稿