2025年7月27日日曜日

三井記念美術館「花と鳥」1

 

三井記念美術館「美術の遊びとこころⅨ 花と鳥」<97日まで>

 先月618日、NHK青山文化センター講座で取り上げた「魅惑の日本美術展」です。清水真澄館長から、渡辺始興の「鳥類真写図巻」が出陳されるとお聞きしたので、ぜひ受講者に見てほしいと思ったのです。半世紀前の東京国立文化財研究所時代、そのころの所蔵者であった三井高遂たかなるさんのお許しを得て、ご自宅にうかがって調査させていただき、その結果を機関誌『美術研究』に発表した、僕にとって青春の思い出(!?)みたいな作品なんです。

高遂さんを紹介してくれたのは、辻惟雄さんでした。高遂さんはニワトリの研究家としても有名でしたので、ニワトリの画家伊藤若冲を研究していた辻さんは、早くから親しくされていたんです。僕が江戸時代の写生に興味をもっていることを辻さんは知っていて、高遂さんがすばらしい始興の写生図巻をお持ちだと教えてくれたのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「絵金」17

その時姫と障子に映る長門は、明らかに鏡像 ミラーイメージ 関係に結ばれています。そして画面左奥には、 3 人の人物が描かれています。先の引用には何も言及されていませんが、展覧会カタログの解説が明らかにしてくれます。男は時姫の奪還を命じられたけれども、逆に時姫に斬りつけられて井戸に...