2025年3月2日日曜日

『漢詩花ごよみ』春2

梅――王安石「夜直」

  金の香炉の香 尽きて かすかに聞こえる水時計

  風音たてて吹く微風 時々止むけどうそ寒い

  春の愁いが募り来て 眠ることさえ出来ません

  月は西へと傾いて 欄干に射す梅の影

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

葉室麟『古都再見』1

 葉室麟『古都再見』(新潮社  2017 年)  前回、渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』から春草を詠んだ絶唱を連載したとき、後花園天皇の七言絶句を引用し、葉室麟さんの見立てもアップしました。ついでにというのも失礼ながら、『古都再見』を通読し終わったところです。通読したというのは...