2024年7月6日土曜日

追悼 舟越桂さん3

このすぐ後に人間の野生のことを思いライオンをイメージした顔の男性像を作った。これが、その後、男性器を思わせる、角を持った人物像を経てスフィンクスへつながって行ったのかもしれない。人間を見つづける存在としてのスフィンクスへ。

言うまでもなくスフィンクスは、ライオンの体に人間の頭部を有する怪獣、古代エジプトにおける王権の象徴でした。これにインスピレーションを得た舟越は、長く垂れた耳をもつ両性具有の人間像として、あるいは中性的な人間像として造形化したのです。

舟越といえば、モジリアーニの人物画のように長い首の上にのった小さめの端正な顔がまず思い出されます。左右の目の焦点が微妙にずれていて、正面からいくら一生懸命見ても絶対に視線を合わせてくれず、どこか虚空を眺めているような、あるいは遠い未来を夢見ているようなアンニュイをたたえた独特な顔です。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 16

大正12年 1925 10月 12 日、巴水は102日間の大取材旅行に出発しました。 9月1日に起こった関東大震災により、巴水は188冊のスケッチ帖すべてを失ってしまいました。渡邊版画店も罹災、版木と新版画のほとんどが烏有に帰してしまいました 。   失意の 渡邊庄三郎は 、 失...