実はそのときも、この放菴筆「大宰帥だざいのそち大伴旅人卿讃酒像」をイメージとして使わせてもらったように思います。中西進さんの『万葉集<全訳注原文付>』により、改めてはじめの5首をアップしておきましょう。
験しるしなき物を思はずは一杯ひとつきの濁れる酒を飲むべくあるらし
酒の名を聖ひじりと負おわせし古いにしえの大き聖の言ことのよろしき
古いにしえの七の賢さかしき人どもも慾ほりせしものは酒にしあるらし
賢さかしみと物いふよりは酒飲みて酔泣えいなきするしまさりたるらし
言はむすべせむすべ知らず極まりて貴とうときものは酒にしあるらし
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