さすがの芳賀徹先生も、「このような持参金めあての縁組をするというのはしばしばあったことなのかどうか、私は詳らかにしないが……」とお書きになっています。もちろん僕が詳らかにするはずもありません。
そこで大森映子さんの『お家相続 大名家の苦闘』(角川選書368)には言及されているだろうと思ってページを繰ると、やはりありました。「第3章 養子をめぐる大名家の諸相」のなかの「養子洗濯の駆け引き――攝津麻田藩と伊予宇和島藩」です。
本書は幕府に対する無届けや年齢詐称、当主や嫡子の入れ替えなど、じつに愉快なお家相続の実態を教えてくれます。しかし僕が一番興味深く感じたのは、幕府がその実情をよく知りながら、まったく黙認していたという事実でした。
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