2023年10月1日日曜日

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」18

 

「僕の一点」は喜多川歌麿の『画本虫撰』(千葉市美術館蔵)ですね。見れば見るほど素晴らしい。見えれば見るほどおもしろい。見れば見るほど言葉を失う。というわけで、饒舌館長もチョットお手伝いした国際浮世絵学会編『浮世絵大事典』から、畏友・浅野秀剛さんの解説をそのまま引用させてもらうことにしましょう。

喜多川歌麿画の狂歌絵本。彩色摺大型2冊。天明8年(1788)正月刊、版元・蔦屋重三郎。……1画面に2種の虫を配したもの15図に、それぞれ2首の狂歌を入れている。撰者の宿屋飯盛やどやのめしもりが、木下長嘯子の『虫歌合』にならい、虫を詠題に当時の狂歌師30人による狂歌合を試みたもので、天明狂歌壇の主要メンバーをほぼ網羅している。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』2

 本邦初の辞典がここに誕生したんです。しかも日本語のあとに、すぐれた英訳がついているから便利です。便利なだけじゃ~ありません。日本語と英語における視覚文化へのアプローチが意外に異なっていることが浮彫りになり、おのずとわが国視覚文化の特質といった問題へ導かれることになります。この質...