医術をよくした師・玉田黙翁の影響を受けて、玉堂もこれに造詣が深く、漢方薬を調合して、漢詩人・西山拙斎に贈ったりしています。玉堂が修亭を迎え入れたのは、もちろん風雅を愛する文人としての交わりでしたが、漢蘭折衷医の修亭に対する尊敬の念もあったにちがいありません。
この七言律詩は玉堂の詩集である『玉堂琴士集』に収録されることはなかったようですが、琴に対する強い愛惜の念と、清濁併せ飲むことができない自己の性格に対する矜持をうたって、玉堂その人と対面しているような気持ちになってきます。
今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...
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