2023年6月22日木曜日

太田記念美術館「ポール・ジャクレー」9

しかしジャクレーは日本に止まり創作を続けました。日本が好きでたまらなかったんです。モネもドガもゴッホも、フランスから日本をあこがれただけであって、日本へやって来たわけじゃ~ありませんでした() ジャクレーは単なるあこがれを越えていたといってもよいでしょう。筋金入りのジャポニザンになっていたんです。

またジャクレーは、彫師や摺師の仕事を大変高く評価し、みずからの作品に彫師・前田謙太郎や摺師・藤井周之助などの名前を刷り込みました。そして次のように述べているんです。

昨日をもって、静嘉堂文庫・静嘉堂文庫美術館を退職いたしました。これからは「河野元昭の酒場放浪記」をやろうかな( ´艸`) 「麻雀放浪記」も悪くないかな(⁉) 肩書はかつて使ったことがある「美術史家」を復活させようかな。しかし「饒舌館長ブログ」はそのまま使い続けようかな。静嘉堂文庫美術館は館長じゃ~なくなりましたが、秋田県立近代美術館は名誉館長ですので、「饒舌名誉館長ブログ」ーー略して「饒舌館長ブログ」とするというイクスキューズは許されるかな。「饒舌館長」を名乗ってから10年以上、もう分かちがたく本人と結びついちゃっている感じだし( ´艸`) というわけで、これからも「饒舌館長ブログ」をよろしくお願い申し上げます。

 

1 件のコメント:

  1. 河野先生、長い間お疲れ様でした。
    でも、饒舌館長は続けてくださいね。

    返信削除

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...