かくして我が国文人画研究の将来に危惧を抱いた國華編輯委員会は、改めてその魅力を伝え興味を喚起するべく、断続的に特輯号を編むことを企画した。その第一冊は一二〇七号(一九九六年)で、新たに紹介された静嘉堂文庫美術館所蔵の作品を中心とした特輯号であったが、そのタイトルは「文人画と南画」とされた。
この点に関し、序文を起草した山根有三氏は、「『國華』でも長い間「南画」が採用されていた。しかし、この二つはそれぞれ歴史的背景を有するとともに、きわめて魅力的な名称であり、どちらか一方を切り捨てるには忍びないものがある。そこで本特輯号は「文人画と南画」と銘打つことにした次第である」と述べている。本池大雅特輯号も、この立場を守って編輯されることになっている。
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