なお山根氏は、これが江戸時代における最も重視さるべき絵画ジャンルであること、往古の中国文化に対する憧憬の美しき結晶であったこと、日本の自然に捧げられた真率なる賞賛であること、胸中を吐露し人格を投影させた自己表現であったことを指摘している。
そして私たちも、それらを追体験することにより理想の楽園に遊び、彼らと気持ちを通わせれば、現代生活で失われがちな本来の人間性を取り戻すことができると述べている。
日本文人画の絵画史的評価と美的特質、そして現代的意義はここに尽きるというべきであろう。
最後に、山種美術館「桜 さくら SAKURA 2025 美術館でお花見!」展のチラシに刷られたコピーを紹介することにしましょう。そこにある「はらはらと散っていく儚 はかな さ」は、新渡戸稲造にならって言えば薔薇に欠けている美しさです。 暖かな陽光がさし始める春。草花が芽...
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