なお山根氏は、これが江戸時代における最も重視さるべき絵画ジャンルであること、往古の中国文化に対する憧憬の美しき結晶であったこと、日本の自然に捧げられた真率なる賞賛であること、胸中を吐露し人格を投影させた自己表現であったことを指摘している。
そして私たちも、それらを追体験することにより理想の楽園に遊び、彼らと気持ちを通わせれば、現代生活で失われがちな本来の人間性を取り戻すことができると述べている。
日本文人画の絵画史的評価と美的特質、そして現代的意義はここに尽きるというべきであろう。
「僕の一点」は 建長寺所蔵の「釈迦三尊図」ですね。南宋仏画のゼッピンです。 じっと観ていると、一部に華麗な色彩を使いながらも、異民族に北半分を奪われてしまった南宋人の哀しみと愁いが胸に迫ってくるような色感です。 南宋絵画というと、馬遠・夏珪の水墨山水画や、禅宗水墨画がまず頭に浮...
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