烟浦帰帆<遠浦帰帆>(胡宗仁「茂之乞画楚山図 余将游武林走筆戯答」)
すでに帆を揚げ我が船は 夜の明けるのを待っている
日に日に強まる旅心 とても我慢はできません
描きたいのだ 楚の国の 青く広がる山々を
今に伝えるオモテナシ 期待し山を越えゆかん!!
結句の「余行」とは「後世に伝えられている行ない」のことだそうです。「看」にはもてなしの意があるので、楚の成王にまつわる故事を思い出し、「戯答」らしくこんな風に訳してみましたが、実のところ自信がありません。
「僕の一点」は 建長寺所蔵の「釈迦三尊図」ですね。南宋仏画のゼッピンです。 じっと観ていると、一部に華麗な色彩を使いながらも、異民族に北半分を奪われてしまった南宋人の哀しみと愁いが胸に迫ってくるような色感です。 南宋絵画というと、馬遠・夏珪の水墨山水画や、禅宗水墨画がまず頭に浮...
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