この七言絶句は、瀧和亭がみずから詠んだものではありません。明時代の書家にして詩人であった申時行しんじこうという士大夫の詩で、『御定佩文斎群芳譜』に載っているのを、和亭がパクッたんです。今やネット検索をかけると、簡単にばれちゃうんです(笑) いや、この詩も師・椿椿山の「旧本」に着賛されていたにちがいありません。
改めて画面をよく見ると、白菊のなかに淡い黄色の菊が花を開かせています。菊を描こうと思い立った椿山は、『御定佩文斎群芳譜』で申時行の七言絶句を知って――あるいはすでに知っていたのかもしれませんが、それからインスピレーションを得てこの作品に取り掛かったのでしょう。
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