画面右上に款記があって、瀧和亭の先生であった椿椿山が北宋画家の筆意にならって描いた「旧本」を、臨模した作品であることがわかります。後期高齢者の身にしみるような七言絶句が一緒に書かれえていますから、お馴染みの戯訳で掲げておきましょう。
凛りんとした艶つや 枝まばら 秋の光に擢ぬきんでる
茅屋ぼうおくに座し眺めれば 俗なき幽趣に昇華する
摘んでモジャモジャした鬢びんに 簪かんざしみたいに差してみた
白髪頭しらがあたまをその黄菊 笑っているのか――恥ずかしや!!
その棕櫚が「花木眞寫」に見出されることは、何と興味深いことだろうか。言うまでもなく「花木眞寫」は、豫樂院近衛家熙 (一六六七 ~ 一七三六)の筆になる植物寫生圖巻である。すでに源豊宗・北村四郎編『近衞豫樂院御畫 花木眞寫』(淡交社 一九七三年)が あつて 、私たちは大きな恩...
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