画面右上に款記があって、瀧和亭の先生であった椿椿山が北宋画家の筆意にならって描いた「旧本」を、臨模した作品であることがわかります。後期高齢者の身にしみるような七言絶句が一緒に書かれえていますから、お馴染みの戯訳で掲げておきましょう。
凛りんとした艶つや 枝まばら 秋の光に擢ぬきんでる
茅屋ぼうおくに座し眺めれば 俗なき幽趣に昇華する
摘んでモジャモジャした鬢びんに 簪かんざしみたいに差してみた
白髪頭しらがあたまをその黄菊 笑っているのか――恥ずかしや!!
「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...
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