2025年8月19日火曜日

室町のネコ絵8

 

しかし一般的に、牡丹と猫は「牡丹睡猫」として知られています。もっとも有名なのは、日光東照宮回廊の彫刻でしょう。しかし猫がバクスイしてたんじゃ~「正午牡丹」にはなりません。おめでたくも何ともありません。左甚五郎棟梁、おかしいじゃ~ありませんか()

とここまで書いて、試みに金井紫雲の『東洋画題綜覧』に「牡丹」を求めると「牡丹睡猫」という画題が立項され、原双桂の『過庭紀談』という書が引用されています。『過庭紀談』は吉川弘文館の『日本随筆大成』に収められているようですが、読んだことはありませんでした。というより、この本自体をまったく知りませんでした。『過庭紀談』は1834年に出版されたとのこと、僕は190年後に著者の原双桂と同じような疑問を感じたことになります()

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