2022年10月7日金曜日

静嘉堂@丸の内「響きあう名宝」7

白楽天「殷協律いんけいりつに寄す」

 五歳優游同過日  君と過ごした歳月は 楽しき日々の五年間

 一朝消散似浮雲  ある日 突然 浮雲の ごとくに雲散霧消せり

 琴詩酒伴皆抛我  琴弾き詩を詠み酒酌んだ 友だちはみな去って行き

 雪月花時最憶君  降る雪 照る月 咲く花に 誰より君を思い出す

 幾度聴鶏歌白日  幾度も鶏鳴 聞きながら ともに歌った流行り歌

 亦曾騎馬詠紅裙  騎乗の紅いスカートの 美人を見初めて詩に詠んだ

 呉娘暮雨蕭蕭雨  呉の美妓 歌った「暮の雨 蕭々と降る」――江南で

 自別江南更不聞  別れた後はこの曲を 一度も聞いておりません

 

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