ブッチャケていうと、僕が知る鉄幹の歌は、高野公彦編『現代の短歌』(講談社学術文庫)に載る30首ほどだけでした。これに漏れている一首だけに、ことさら心に沁みたのかもしれません。
しかしこの一首は、鉄幹を理解するための鍵となる三十一文字のように思われてなりません。鉄幹の一生と文学はここに収斂していくんだといっても、言いすぎではないような気がします。男として何と潔く、美しく、セクシーなのでしょう。
人の屑くずわれ代り得ば今死なむ天の才なる妻の命に
その棕櫚が「花木眞寫」に見出されることは、何と興味深いことだろうか。言うまでもなく「花木眞寫」は、豫樂院近衛家熙 (一六六七 ~ 一七三六)の筆になる植物寫生圖巻である。すでに源豊宗・北村四郎編『近衞豫樂院御畫 花木眞寫』(淡交社 一九七三年)が あつて 、私たちは大きな恩...
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