2022年7月6日水曜日

宝塚「めぐり会いは再び」10

 

静嘉堂文庫美術館には重文に指定されて有名な「四条河原遊楽図屏風」があります。その左隻には遊女歌舞伎の総踊りが描かれています。そこに横溢していたにちがいないエロティシズムが、「グラン カンタンテ」には爪の垢ほどもありませんでした。

逸翁はあれほど強い影響を歌舞伎から受けたにもかかわらず――たとえ知らず知らずのうちにではあったとしても――歌舞伎のエロティシズムだけは、意識的に排除したのではないでしょうか。

それは宝塚新温泉で老若男女だれでもが楽しめる国民劇に不必要な要素、いや、むしろ百害あって一利なき要素だったからでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』4

  先日「 7 日間ブックカバーチャレンジ」として村上もとかの『フイチン再見!』をアップしましたが、これら本辞典の項目を読んでから『フイチン再見!』 10 巻にチャレンジすれば、もっとよく内容が理解できて、さらにおもしろかったと思います。この辞典を編集した委員会のトップは、尊敬し...