2021年8月19日木曜日

サントリー美術館「ざわつく日本美術」13

 

かの「田園の居に帰る」「飲酒」「帰去来の辞」「桃花源記」をものした陶淵明が、こんなエロティックな賦を詠んでいたなんて、チョット信じられません。いま僕たちが使う軽い意味の「フェチ」なんかじゃなく、紛う方なきフェティシズムではありませんか。陶淵明だから文学であり古典ですが、ほかの人だったらもう病気ですよ()

もちろん陶淵明は、これをポルノとして創作したわけではありません。陶淵明は漢時代の張衡や蔡邕にならって、放蕩に流れる邪心や欲望に警告を発し、諷諌[ふうかん](遠まわしにいさめること)の助けとするため、拙いものだけれどもあえて作ったと、チャンと序文に書き記しています。しかし饒舌館長の場合、どうしても「十願」「十悲」にばかり目がいっちゃうんです()

0 件のコメント:

コメントを投稿

國華清話会2025年秋季特別鑑賞会3

   「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...