2021年4月28日水曜日

府中市美術館「与謝蕪村」7

劉原甫は、かつて紹介したことがある北宋のネコ詩人・梅尭臣と親しく、中国詩人選集第2集『梅尭臣』には、「劉原甫の家に飲む、原甫 二つの古銭を懐にして酒を飲む、其の一は斉の大刀、長さ五寸半、其の一は王莽の時の金錯刀、長さ二寸半なり」という五言詩が採られています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。

 原甫君お酒を俺に勧めるが 酌してくれる美人はおらず

  「いにしえの器物を披露したいけど 先ずその時代 予想してみて!!

  我思う――孔子の履[くつ]はその昔 武庫の火災で烏有に帰した

  陶侃[とうかん]の梭[]は赤龍となり空へ 嵐を突いて飛び去ったはず

  軒轅[けんえん]の鏡はこの世にないゆえに 多くの妖怪 跋扈[ばっこ]している

  豊城で見つかった剣 延平の 水底深く沈んだとも聞く

  「二百年ほど前のもの? それならば きっと書幅か絵画じゃないか?」


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根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...