山根先生が晩年までご自宅に飾っていらっしゃったという油絵の「紫陽花」も、人それぞれに何かなつかしい思い出を、よみがえらせてくれるのではないでしょうか。大伴家持が女性の変わりやすい心を、花の色が変わりやすい紫陽花になぞらえたことを知ればなおさらに……。とくに男性は誰しも、懐かしい思い出がよみがえってくるのではないでしょうか(!?)
登さんの作品がもつ懐かしさの秘密を、華道家としての家元が発見し、花に例えたのが次の一節であるように思われてなりません。
……登は一度も展覧会に出品しておらず、身内以外登の絵はほとんど誰にも知られていないことです。惜しくてたまりません。花に例えるならば、大輪の美しい花を咲かせられる可能性がありながら、蕾のまま人知れず朽ちてしまう、ということでしょうか。
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