まず初めは、先にアップしたように、これまで蕪村が「夜色楼台雪万家」という題詩を思いついたもともとの詩と考えられてきた、詩僧・万庵原資の『江陵詩集』に採られる七言絶句「東山に遊びて花落を詠ず」です。
お寺に東風吹いてきて 五色の霞棚引けり
春の光は物憂げで 夕日傾き黄昏[たそがれ]る
桜は千本満開で 雲間にそびえる壁のよう
湖上の高殿から見れば 屋根に積もった花は雪
桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。 古き陵 みささぎ ――松柏 まつかしわ つむ...
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