僕はキーズ春信目録をもとに、上演年月の確定できる春信役者絵目録を作って、話を始めることにしました。つまり僕の春信私論は、キーズ先生の研究から出発するものだったのです。キーズ春信目録がなければ、この「春信――錦絵への軌跡」という拙文はとてもまとまらなかったことでしょう。
キーズ先生はご自身の浮世絵研究所を開かれるとともに、ブラウン大学の客員教授をつとめられ、実証的な浮世絵研究により、学界に裨益するところきわめて大なるものがありました。2006年、ニューヨーク公立図書館で開催された「スペンサー・コレクション絵本展」はそのすぐれた成果であり、”The Artist and the Books in Japan”というカタログ図書にまとめられています。
ロジャー・キーズ先生、どうぞ安らかにお眠りください。
0 件のコメント:
コメントを投稿