2020年8月20日木曜日

酒井抱一「日課観音図」1


 『國華』1497号は「逸格逸品 第八輯」と題する特輯号です。國華編輯委員が今イチオシと思う作品を選んで書いた解説の「テンコ盛り」とでも言ったらいいのでしょうか。それが第8輯にまでなりました。僕が今回選んだ作品は、酒井抱一の「日課観音図」です。
文政7年(1824)5月1日から6月にかけて33日間、抱一は毎日1点の白描観音像を描きました。それは観音さんの上の方に、「文政七年甲申五月日課三十三幅之一」という判子が捺されていることから分かるのです。
つまり33点の白描観音図が出来上がったわけですが、もちろんこれは観音さんが33の姿に変身して衆生を救うという「観音経」によるところでしょう。このように観音さんを日課のようにして描いた連作を「日課観音」と呼んでいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」2

    そのカタログから「ごあいさつ」を掲げて、 根来塗のあらあらと 展覧会の趣旨を知ることにしましょう。   「根 来 」は一般的に、下地を施した木地に黒漆塗りし、朱漆を上塗りした朱漆塗漆器( 朱漆器ともいう) を指します。 おおらかで明快な姿かたちに加えて、長年の使用により表...