『國華』1497号は「逸格逸品 第八輯」と題する特輯号です。國華編輯委員が今イチオシと思う作品を選んで書いた解説の「テンコ盛り」とでも言ったらいいのでしょうか。それが第8輯にまでなりました。僕が今回選んだ作品は、酒井抱一の「日課観音図」です。
文政7年(1824)5月1日から6月にかけて33日間、抱一は毎日1点の白描観音像を描きました。それは観音さんの上の方に、「文政七年甲申五月日課三十三幅之一」という判子が捺されていることから分かるのです。
つまり33点の白描観音図が出来上がったわけですが、もちろんこれは観音さんが33の姿に変身して衆生を救うという「観音経」によるところでしょう。このように観音さんを日課のようにして描いた連作を「日課観音」と呼んでいます。
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