2020年5月22日金曜日

シャンフルーリ『猫』8



さらに加藤さんは、最近『太田記念美術館紀要 浮世絵研究』第10号に、「十九世紀フランスにおける諷刺画としての浮世絵――シャンフルーリ『諷刺画秘宝館』を読み解く」という、とても興味深い論本を発表されました。

シャンフルーリ『猫』の翻訳が、このような論文へと発展したことを、心からお喜び申し上げたいと存じます。ゴンクールの『歌麿』(1891)や『北斎』(1896)よりも早い、おそらく西洋で最初の浮世絵批評であるシャンフルーリ晩年の著作『諷刺画秘宝館』(1888)をもとに、当時の文学者による浮世絵観を読み解き、異国趣味の流行だけではない浮世絵受容の厚みを明らかにしようとした刺激的論文です!!

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」2

    そのカタログから「ごあいさつ」を掲げて、 根来塗のあらあらと 展覧会の趣旨を知ることにしましょう。   「根 来 」は一般的に、下地を施した木地に黒漆塗りし、朱漆を上塗りした朱漆塗漆器( 朱漆器ともいう) を指します。 おおらかで明快な姿かたちに加えて、長年の使用により表...