それでは斉昭――漢詩の作者としては「景山」の方がふさわしいと思いますが、その「弘道館に梅花を賞す」を、またまた僕の戯訳で紹介することにしましょう。渡部さんによると、僕が「学問の木」と訳した三句目の「好文」とは「好文木」の略で、梅の別名ともなっています。それは「帝が学問に親しめば梅が開き、学問をやめると開かなかった」という、中国・晋の武帝にまつわる故事によるところだそうです。我が庭の梅が今年も開いたのは、まだ僕が研究を止めていない証拠かな(笑)
千本もの梅 藩校の 弘道館に植えられて
今を盛りと咲いている 清き香りが馥郁と……
学問の木とはいうけれど 武威の厳しさ兼ね備え
花を開かせ真っ先に 独占する春 雪のなか
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