灘の剣菱銘酒なり 一斗ばかりをぐいぐいと……
愁いは雲散霧消して 心頭鋭く冴え渡る
笑わんでくれ!! 満足に 壁もないよなボロ書斎
酒飲みイコール清貧と 古来決まってるんだから
もともとの起句は「傾来一斗剣菱春」です。その「春」は季節じゃなく、お酒の意味、『諸橋大漢和辞典』に「春」を求めると、第二義として「酒。唐代の通語」と出てきます。しかも、『国史補』という書の引用があり、当時「剣南之暁春」という酒があったことを教えてくれます。剣南というのは、長安南方の大剣・小剣という二つの山のさらに南に広がる地、現在の四川省から甘粛省にまたがる地域だそうです。
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