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2017年11月1日水曜日

サントリー美術館「狩野元信」10

 もちろん等伯は、日蓮宗に限らずさまざまな宗派のために創作活動を行なったが、法華信徒であったという事実を忘れるわけにはいかない。それはまた狩野派にも当てはまるのである。

琳派の祖とされる本阿弥光悦になると、日蓮宗との関係はさらに密接となる。2年前の平成27(2015)は、琳派400年記念祭としてさまざまな琳派顕彰行事やプロジェクトが行なわれて、社会現象の観を呈した。光悦が徳川家康から洛北・鷹ヶ峰の地を得て、ここに光悦村を拓いたのが元和元年(1615)、それから数えてちょうど400年の節目に当たっていたのである。

この光悦村については、かつて芸術村説が強かったが、現在では、4つの法華寺院が営まれていたこともあり、法華信徒による宗教村であるとする見解が定説となっている。

私見によれば、これまた実証は難しいものの、法華経にも日蓮にもつながる「浄仏国土」の思想が光悦を突き動かしたのであり、宗教と美術が融合する理想郷が光悦村であった。ユートピア実現に向けて上行菩薩となった日蓮に、光悦もみずからを重ね合わそうとしたのであろうか。

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