2017年7月26日水曜日

三菱一号館美術館「レオナルド✖ミケランジェロ展」3


画家は、まず優れた師匠の手になる素描を模写することに習熟しなければならない。彼の先生が、その手習いができたと判断したら、次いで優れた立体物を模写することに習熟しなければならないが、その規則については、立体物の模写についての個所で述べよう。

これは一種の粉本主義ではありませんか。粉本主義は決して江戸狩野の専売特許なんかじゃなく、西洋にもあったし、ダ・ヴィンチも認めていたんです。橋本雅邦が『國華』3号に寄稿した「木挽町画所」で述べているような、「粉本に始まり粉本に終わる」といった教育法とは異なるものと想像され、おそらく最終的には実物写生に進んだのでしょう。しかしスタートは、あくまで師匠の手になる素描であったのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」9

  先日、 鏑木清方記念美術館の「あの人に会える! 清方の代表作<築地明石町>三部作」展で井手誠之輔 さん にお会いしたことをアップしました。その井手さんが、この「扇影衣香」展カタログに、「総論 絵から見た鎌倉の美術と東アジア世界――人と仏――」という巻頭論文を寄稿しています。 ...