2017年4月10日月曜日

奈良国立博物館「快慶展」2


いや、まったく何も分からないという点では、絵画でも彫刻でも同じだったでしょう。ともかくも、日本仏教建築のことをゼロから――少しだけ勉強し、あの天平の甍を見上げながら、そしてエンタシスが美しい柱を背にしながら、浅野清先生の受け売りをやって場をふさいだ日のことが、懐かしくよみがえってきたことでした。

もちろんその後、唐招提寺へは何度もお邪魔しているはずですが、やはりこの第1回拝観が、もっとも鮮明に心に刻まれているようです。

そのあと、駅前の食堂で「大和名物 奈良粥」を堪能し、奈良国立博物館へ向かいました。特別展「快慶 日本人を魅了した仏の形」のオープニング内覧会があるからです。新しく館長になられた松本伸之さんに祝辞を述べ、静嘉堂文庫美術館を宜しくとお願いしたあと会場に入れば、快慶の代表作がすべて出ているという、ものすごい展覧会です。

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...