児島薫さんのライフワーク(!?)がついに単行本になりました。この間アップした辻惟雄編『幕末明治の画家たち 文明開化のはざまに』(ぺりかん社 1992年)に、児島さんが雪斎論を発表して以来続けてきた研究の集大成です。幕末明治絵画の錯綜した面白さを堪能できますよ。もっとも、服部雪斎って誰なのと思う方が少なくないと思いますが、「当たり前田のクラッカー」です。児島さんの「序」を見てください。「本書で取り上げる服部雪斎(一八〇七~?)は、幕末から明治中期まで活動した絵描きである」と書き始められているじゃ~ありませんか。明治中期まで生きた雪斎の没年が、驚くべきことに不明なんです。美術史から忘れれた魅力的な一人の「絵描き」が、この「?」にシンボライズされています。
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