祇園南海「猫を悼む」(続き)
膝に抱かれて飼い主に 甘えていたのを思い出す
縁側あたりで子供らを 呼んでいた声まだ聞こゆ
漢方・烏薬うやくを飲ませたが 薬効なきを恨むのみ
牡丹の陰で寝て夢を 見てたがそれもまた夢に……
襤褸ぼろでくるんで丁重に…… 恩を謝したが何になる
ともし火の前 老人の まなこ涙でかすんでる
乾山も兄に劣らず能謡曲を嗜好していたわけですから、それをみずからの作品に取り入れることは「当たり前田のクラッカー」だったんです。しかし「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」の場合は、能謡曲の記憶や思い出がかすかに揺曳しているような作品と言った方が正しいでしょう。 それは「高砂」の...
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