桜と相性がよい文学は和歌でしょうが、漢詩だって負けてはいません。先に紹介した渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ』に江戸末期に鳴った漢詩人・藤井竹外の七言絶句「芳野」が載っています。またまたマイ戯訳で紹介することにしましょう。
古き陵みささぎ――松柏まつかしわ つむじ風受け吼ほえている
春の爛漫 山寺に 尋ねりゃ桜は散ったあと
雪の眉毛の老僧が 箒ほうき持つ手を休めつつ
積もる落花に囲まれて 昔語りは吉野朝よしのしょう
第 1 章は「デパート大食堂が花巻にあった」――シニア世代にとって懐かしきシャングリラであるデパート大食堂を求めて、下川さんが花巻へ旅立ちます。そして注文するのは、もちろんラーメンとカレーです。 カレーは家のカレーの味わいだった。カレー専門店のような鋭さはないが、ほっこりするよ...
0 件のコメント:
コメントを投稿