2024年9月29日日曜日

出光美術館「物、ものを呼ぶ」19

 

もっともヤバイ!!と思ったのは、右隻の浅草寺参道あたりに描かれる三十三間堂の建築年代です。完成したのは寛永20年(1643)、家光の命を受けて4月に射初めの儀式が執り行われたというのです。

となると、この「江戸名所図屏風」が制作されたのは、寛永20年以降ということになります。失われてしまった建築が、ある象徴として記憶や粉本により描かれることは珍しくありませんが、まだ建っていない建物が想像で絵画化されることはありません――当たり前田のクラッカー、今まで延々とアップしてきた私見の運命やいかに!?

翌年は正保元年、もうチャキチャキの江戸時代です。言われてみると、代表的な寛永風俗画から少し距離を置くような感じもします。チョッと反論の余地はなさそうですが、でもヤッパリお話としては三十三間堂よりペリカンの方がおもしろい!!と思ったのでした。旧ブログにアップしたローラ・インガルス・ワイルダーの愉快なお話を心に浮かべながら……。

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