田能村竹田は著書『山中人饒舌』において、玉堂画の素晴らしさは微茫惨澹――はっきりとは認識できない幽玄にして微妙な感じにあると指摘しています。本図も例外ではありえません。
また竹田は、玉堂の作品に三つの特徴があると述べています。木の幹は細いが枝葉が多いこと、点景の人物が小さいこと、筆墨が紙背に透っていることです。しかし本図には点景人物が描かれておらず、きわめて珍しい玉堂画となります。本図は60歳代後半の制作にかかるものと推定されますが、この時期には他にもこのような無人の作品があるのです。
私は2025年6月から日課として膨大な談山神社古文書のチェックを始めた。 ひと月ばかりたった頃、学頭の日誌を見ていて胸が高鳴った。 頻出する「花鳥之間」「富士之間」の記事。 竹林坊学頭屋敷のこれらの部屋に社僧たちが一堂に揃い、盛んに行事を営んでいたのである。 天保4年(183...
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