2023年6月8日木曜日

諸橋轍次博士から受けた学恩感謝の辞3

 

諸橋轍次博士における学問の原点は、生地である新潟県の下田村しただむら(現在の三条市)にありました。それは66歳のとき詠んだ「郷思」に象徴されています。その戯訳を講演で披露したかったのですが、時間がなかったので……。

 新潟よいとこどの県も 肩を並べること出来ず

 四季折々に花と月 競うがごとき美しさ

 五十嵐川の清流は 老松の影 浮かべてる

 緑にかすむ八木ヶ鼻 水面みなもに影を落としてる

 奥畑先生この地にて 教えてくれた人の道

 その後 亡父も同地にて 老荘の学 修めたり

 東京生活 長すぎた 帰りたいなぁ故郷ふるさと!!

 それを夢みて陶淵明 みたいないい詩を詠みたいな


0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」5

  昨日紹介した李嶠の詩を読んでみると、「扇影」というのは扇の輝きとかきらめく光の意味みたいですね。そこで僕は「扇影飄」を「白扇 はくせん みたいに翻 ひるがえ る」と訳してみたのですが、「影」を「物陰」の意味に取ると、「衣香」とまったく響き合わなくなっちゃうでしょう。 ついでに...