2023年5月17日水曜日

『國華』池大雅特輯号5

 

その後も長い間文人画と南画の両者が行なわれてきたが、一九六〇年代末から、徐々に南画説が強くなってきたように思われる。戦前「南画と文人画」(六二二号~ 一九四二年)を発表していた吉澤忠氏は、これを発展させた「文人画・南宗画と日本南画」を『原色日本の美術18 南画と写生画』(小学館 一九六九年)の総論に当てた。

ここで吉澤氏は日本の場合、「南画」を用いるべきであることを強く主張、また中国文人画と本質的な違いが認められるゆえに、南宗画の省略後である南画を使えば、おのずと源流から区別されるとしたのである。



0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」8

 最後に、山種美術館「桜 さくら SAKURA  2025  美術館でお花見!」展のチラシに刷られたコピーを紹介することにしましょう。そこにある「はらはらと散っていく儚 はかな さ」は、新渡戸稲造にならって言えば薔薇に欠けている美しさです。 暖かな陽光がさし始める春。草花が芽...