2023年5月1日月曜日

静嘉堂@丸の内「明治美術狂想曲」9

「闔家全慶」が中国でいつ編み出された画題か知りませんが、まだ漢音が使われていた時代なのでしょうか。あるいは、漢音までさかのぼらせたのかも知れません。

いずれにせよ、現在の「チン」と「ジー」では成立しないことになります。もっとも、30年近くまえ香港大学で教えていたとき求めたロイ・カウルスの『広州話袖珍字典』を見ると、「鶏」は「カイ」ですので漢音が生きているようですが、「慶」は「ヒン」ですので、やはり広東語でも上手くいきません。

ところが日本では、「慶」も「鶏」も漢音の「ケイ」であり、バッチリ同音になります。素晴らしいことじゃ~ありませんか!! 唐時代の、しかも首都長安の発音が、我が国にはまだ生きているんです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

鎌倉国宝館「扇影衣香」6

 「僕の一点」は 建長寺所蔵の「釈迦三尊図」ですね。南宋仏画のゼッピンです。 じっと観ていると、一部に華麗な色彩を使いながらも、異民族に北半分を奪われてしまった南宋人の哀しみと愁いが胸に迫ってくるような色感です。 南宋絵画というと、馬遠・夏珪の水墨山水画や、禅宗水墨画がまず頭に浮...