「闔家全慶こうかぜんけい」は「慶」と「鶏」の字音が同じであるところから生まれた画題である――しかし落ち着いて考えるとチョットおかしいじゃ~ありませんか。これは中国で考え出された画題にちがいありませんが、現在の中国語である普通話によれば、「慶」は「チン」、「鶏」は「ジー」で、まったく異なる発音だからです。
しかし、おかしくないんです。「慶」と「鶏」を「ケイ」と読むのは漢音、つまり唐時代の長安で使われていた標準的な発音を写した発音だからです。漢音によれば、確かに同じ字音になります。
ところがそれまでは、 この作品 の真価があまり認められていなかったようです。この点についても、米澤先生が興味深い事実を指摘されていますので、引用させていただくことにしましょう。 こんなことがある ん ですね!! わが国に伝存する宋代の仏画は、だいたい南宋の作であるが、仁...
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