2022年6月20日月曜日

唐寅の詩1


  すでにアップしたとおり、『國華』1518号に「蕪村謝寅試論」なる拙文を寄稿し、蕪村の「謝寅」号は明時代の画家にして詩人である唐寅にちなむものであることを述べました。そのとき『唐寅集』を読んだら、すごくいい詩が多いので、とくにお酒にちなむ数首を選んで戯訳を作りました。その後もパラパラながめていたら、あと数首紹介したくなりましたので、お付き合いください。上の写真は唐寅のラブエピソードをモチーフにした香港映画のポスターです。詳しくは「饒舌館長」ブログの「蕪村唐寅試論」で検索してくださいませ。

佳人月に対す

  髻もとどりおろせば色っぽく 床に臥す夜も遅くなる

  風も静もる梨の花 鳥のねぐらはその枝に

  心のうちを恋人に 打ち明けるのは恥ずかしい

  打ち明けちゃえば青天の 明月みたいにスッキリと……

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鎌倉国宝館「扇影衣香」6

 「僕の一点」は 建長寺所蔵の「釈迦三尊図」ですね。南宋仏画のゼッピンです。 じっと観ていると、一部に華麗な色彩を使いながらも、異民族に北半分を奪われてしまった南宋人の哀しみと愁いが胸に迫ってくるような色感です。 南宋絵画というと、馬遠・夏珪の水墨山水画や、禅宗水墨画がまず頭に浮...